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弊社は法人設立から今年で10期目に入った。わずか10年のひよっこではあるが、それでもこの間、様々な会社・人々との出会いと別れがあった。設立当初お世話になっていた会社が倒産して、有難い「不渡り」をいただいたことも一度や二度ではない。創業以来、堅実にずっとおつきあい頂いているお客様、一回ぽっきりのお付き合いとなったところなど、千差万別だ。それにつけても、継続的にお付き合いさせていただくことの如何に難しいことか。
さて、今回のコラムの本題である『世にも不思議な縁の話』だが、まずは下の手書きチャートをご覧いただきたい。これは私が仕事を通して知りあった会社や個人の相関関係図である(個人名・会社名は支障があるといけないので伏せた)。通常に仕事をしていると、様々な人脈ができるのは当然だろう。しかし、私の場合はただ広がるだけではなく、次々と繋がる人脈が、最後に私のところに戻ってくるのである。
具体例を挙げると、私が最初にお世話になったのはNKB社のNM氏だが、NM氏の縁で知りあったNK社のK社長さんはNM氏と共に、かれこれ二十数年にわたる旧知の仲であった。このNK社に勤めていた五月女君は、創業以来私と一緒にやってくれている弊社の柳下君と偶然にも高校の同級生であった。そんな縁で五月女君は、昨年の1月から弊社に円満に移籍することになった経緯がある。柳下・五月女両君との出会いも不思議だが、更に驚くべきは、五月女君がNK社に勤務時代、競合相手ながら気が合い交友を深めていたTB社社長のT君と私とは大学時代、共に人生論や絵画論をたたかわせた、ポン友だったのである。大学を卒業してから四半世紀の間、T君とは一度も連絡し合ったこともなかったというのに…。
もう一例。弊社の比較的長い取引先だったR社(残念ながら昨年春に倒産)に、かつて在籍していたS君の紹介で知りあったTK社のS社長から、コンピュータの販売代理店であるNT社を紹介してもらった。そこの当時の営業担当者はSさん。ところがこのNT社は大手通信機器メーカーC社の子会社で、C社側のSさんの営業担当が、私の高校の同級生で大の仲良しだったS君であることが後日、偶然にも判明した。
悪乗りついでに極め付けをもう一例。一例目のNM氏のご紹介でI社の仕事をさせていただいているが、編集部に在籍していたYさんがI社を退職してSH社に就職。Yさんからの依頼でSH社の書籍のカバーデザインを何点かやらせていただいた。書店に並んだそれらのカバーデザインを見たA社の編集部長・K氏が私に装幀を依頼下さり、A社とのつながりができた。そんな縁で同じA社のコンピュータ書の編集長だったNN氏とも一緒に仕事をするようになった。このNN氏はやがてA社を円満退職し、K社という出版社を創業された。NN氏が、A社に就職する前に勤めていたNJ社のOB仲間(先輩)にM氏がいる。このM氏の奥さんが何と、私の高校の同級生で、しかも同じ美術部員同士だったのである。遠く郷里を離れ、東京に出てきてからかれこれ三十年になる。この広い東京の空の下、偶然というにはあまりにも出来すぎた話ではある。このつながりが判明した経緯はこうだ。K社の書籍にイラストレーターのM氏がイラストを描いた。M氏はその本を自宅に持ち帰って奥さんに見せた。この本の装幀を私が担当していたので、私のクレジットを見つけた奥さんが「私、この人知っているかもしれない!」と語ったのである。
偶然の重なりで生まれた取引だが、現在ではA社、K社ともに弊社になくてはならない重要な顧客となっている。最初にキッカケを作って下さったのはてSH社のYさん。一つの出会いが次々に新たな出会いをもたらしてくれた例である。
これらの不思議な縁が判明した時、旧知の友との再会を祝して杯を上げたのは言うまでもない。それまでは、お互いに所在すら知らなかったのだから。
さて、話を最初に戻して考えてみると、
一つ目の例で行くと、私→NKB社・NM氏→NK社・K社長→柳下君→五月女君→TB社・T君→私
二つ目の例だと、私→R社・S君→TK社・S社長→NT社・Sさん→C社・高校の同窓生S君→私(たまたま全部「S」が付く!)
三つ目の例では、私→NM氏→SH社・Yさん→A社・K氏→K社・NN氏→NJ社OB・M氏→M氏の奥さん→私…というように、一連のつながりを辿って行くと元に戻ってくるのだ。中間の人々は全員とは面識がないのに、最後にはサークルチェーンとして繋がってしまう。これはほんの一例に過ぎない。実は、下の図の多くがこうしたサークルチェーンの集合体なのだ。
あまりにも不思議な偶然が重なるので、「ちょっと図にしてみよう」と思って描いてみると、こんな図ができ上がってしまったというワケである。
このようなことがなぜ起るのか、私には説明ができない。なにはともあれ、これから先どんな出会いがあるのか、どこから新たな「サークルチェーン」ができ上がるのか、実は密かに楽しみにしているのである。インターネットという新たな「出会いの場」も増えたことだし…。
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